・eifel suspension kit (Prova)

 Provaのサスペンションです。
 eifelというブランド名で展開されているプローバ商品です。そのコンセプトは、「官能的なドライビング・フィールを楽しみつつ、ニュルブルクリンク・サーキットを走り抜くことのできるポテンシャルの実現」だそうです。
 GF8Eに乗っている頃から憧れていた一品で、デモカーの試乗をする度に欲しいと思っていたのですが、幸いにも約6,000km使用の中古品をゲットする機会に恵まれました。
 メーカーによると、純正品と同水準の耐久性を有しているためにオーバーホールの必要はないそうなので、中古品でも安心ですね。塗装の剥がれや錆は一切なく非常に綺麗なブツでした。

 メーカーの謳い文句は以下の通りです。
 「シングルチューブ・ダンパーの特性を生かした大径・高剛性の倒立式、 リア・マルチリンク式車には大容量のオイルが確保できる別体タンク式を採用。各車両重量や車体剛性に合わせて、減衰力、スプリングレートとも個別開発を行い、徹底的に熟成させました。ダンパーは徹底して摩擦抵抗を低減させ、レスポンスに優れた減衰力を正確に発生することができ、低速走行ではしなやかで接地性に優れ、高速域では圧倒的なスタビリティ・シャープネスを高次元で両立させています。 コンプリート・キットのメリットを最大限に生かしたアイフェル・サスペンションは、本物ならではの究極のドライビング・プレジュアを味わうことができます」

 ん〜、楽しみ!


 取り付けに関しては、基本的にSUPER WAGON Damper (TEIN)と同じなので、こちらを参考にして下さい。

 ・フロント

 言うまでもないのですが、左がeifel、右がSUPER WAGON Damper(以下、SWGNとする)です。
 スプリングレートは、eifel、SWGN共に5.0kg/mmです。
 eifelは金色(と言うよりは、ベージュか?)のボディと赤いスプリングが特徴です。SWGNよりも足元が華やかになります。
 スプリングに取り付けられている茶色い物体は、サイレンサーラバー(TEIN)です。前オーナーがスプリングの線間密着時の異音防止に取り付けたそうです。
 SWGNが正立式であるのに対して、eifelは倒立式です。型式としては純正に戻ったことになりますね。
 型式が上下反対のため減衰調整のダイヤル位置も反対で、SWGNのダイヤルは上にありましたが、eifelは下にあります。
 SWGNは上にあるため、ボンネットを開ければ簡単に減衰変更が出来ました。そのためEDFCの設置が可能だったわけですね。
 しかし、eifelは下にあるため、ハンドルを目一杯切ってタイヤの裏側に手を突っ込んで、手探りで行うことになります。慣れれば、どうと言うことはありません。

 フロントの取り付けに際しては、特別な工夫は必要ありませんでした。
 狭い空間で強大なトルクと格闘するだけです。フェンダーの内側に工具を何度ぶつけたことか。


 ・リヤ

 eifelは別体のオイルタンクが装備されています。
 高性能を予感させるデザインですね。このタンクが取り付けの際に問題になるのですが・・・。
 スプリングレートは、eifelが6.8kg/mm、SWGNが6.0kg/mmです。
 リヤは正立式です。
 このため、どちらも減衰調整のダイアルが上にあるので、調整の際には内装を外す必要があります。
 SWGNはEDFCのお陰で調整は楽でした。


 リヤのサスペンションを取り付けるときに注意すべき部分がここです。
 オイルタンクがスチールパイプに当たってしまいます。
 このパイプはブレーキラインで、パイプの曲げ具合や固定のされ方によって当たることがあるそうです。
 いわゆる個体差ってやつですね。
 この部分にキズは付いていなかったので、前オーナーは大丈夫だったようです。
 僕はご覧の通り、試行錯誤している内に傷だらけにしてしまいました。


 この干渉を回避するため、取り付け説明書にはブレーキパイプの固定ボルトを緩めて調整するように指示があります。
 しかし、これだけでは回避できなかったため、ブレーキパイプが固定されているステーを曲げることによって対処しました。


 走行インプレッションです。
 純正のビルシュタインのことは忘れてしまったので、SWGNとの比較になります。
 例によって、素人なりの感想となりますので、お許しを・・・。
 セッティングはメーカー推奨の車高とし、減衰は2にしています。


 まず乗り心地ですが、BP/BL用のeifelは一般に街乗りでは硬いと評価されているようです。
 SWGNは「コトコト」と細かい突き上げがあったのですが、eifelではそれがありません。
 しかし、決して柔らかいわけではなく、「ドン」と重い反動が来ることがあります。
 交換当初はこの乗り味が気になったのですが、一週間もすると慣れてしまいました。
 この感じを「引き締まった良い脚」と捉えるか、「単に硬い脚」と捉えるか、好みの分かれるところでしょう。

 以上は、街乗りでの低速走行での話。高速に入ると印象は変わります。
 高速道路では重い反動は気にならず、非常に快適な脚となります。
 SWGNで高速を長時間走ると、体に振動が残るような感じがして疲労感を伴います。
 この疲労感は当たり前のものと思い気にしていなかったのですが、eifelではこのような疲労感があまり残りません。
 eifelは街乗りよりも高速走行に適しているようです。

 峠では快調そのもの。
 引き締まった脚がコーナーを気持ちよく走らせてくれます。
 回頭性も良く、小さなS字コーナーでの切り返しでグラっと来ることもありません。
 ノーズダイブはSWGNよりも少ないような気がします。
 フロントのスプリングレートは同じなので、減衰の違いがそう感じさせるのでしょうか?

 低速の街乗りでは気になる点もありますが、SWGNよりも上品で、高速や峠を走ることが多い僕には適しているサスペンションでした。
 プローバ信者の自分にとっては、この上ない宝物となりました。






 










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