・BMW用 CCFL管 エンジェルアイ
ヘッドライト・リフレクター部のリング状のスモールライトはBMWの物が有名ですが、「エンジェルアイ」や「イカリング」と呼ばれています。
レガシィ用に開発された物が、LIBERALの「イーグルアイ」ですね。非常に格好良くて、注文が殺到しているようですが、これを装着するためには5〜7万円程用意しなければなりません。
小遣い制のパパにはちょっと・・・。
そこで本家本元のBMWの世界を検索してみると、「エンジェルアイを旧車に装着したい」、「もっと明るいリングが欲しい」と言う需要があるようで、光源がLEDの物やハロゲン+光ファイバーの物など数種類の製品が見つかりました。そんな中で僕が気になった製品がこれです。
「CCFL管」とは、液晶のバックライトなどに使用されている蛍光管で、良好な明るさと均一な光が特徴です。
購入に先立って、BMW 750に装着された物を見学したのですが、その明るさと美しさには唖然としてしまいました。
BMWの場合はこのリングが4つ装備されるので、これだけで読書が出来そうなくらい明るかったです。
レガシィのプロジェクターレンズが収まっているベゼルの外径が約10cm。これに対して、この製品のリングの内径は11.6cmです。
「1.6cmの差なら何とかなるか!」と言うことで、装着できるか分からないにも関わらず、購入してしまいました。
@がリング本体、Aがインバーター、Bが電源コードです。
BMWはライトの上部が少しリフレクターに食い込むデザインになっているため、リングは完全な「イカリング」ではなく、「一口かじった後のイカリング」になっています。
リングの上方にはリングを補強するためのブリッジがあります。
BMWは片側2輪なので、インバーターにはリングに接続するためのコードが二組出ています。
ヘッドライトASSYを外します(外し方はこちら)。
ネジ(←)とクリップ(↑)を外して、ヘッドライトASSY下のアッパーブラケットを外します。
本体とレンズを固定しているネジ(↑)とツメ(↓)を外します。
本体とレンズの接合部分の模式図です。
本体とレンズの間はコーキング剤で密閉されています。
ただ引っ張るだけではなかなか外れません。
本体とレンズの間に楔を入れながらレンズを引っ張ると、コーキング剤が伸びてきます。
上面のコーキング剤を本体側へ押しつけるように剥がします。
次に下面のコーキング剤を下方に押し下げるようにすると剥がれます。
楔をずらしながら、少しずつ作業を進めるとレンズを本体から外すことが出来ます。
作業には左写真の工具が役に立ちました。
これはコネクター外し用の工具です。
GF8Eのライトはコーキング剤を温めながら作業をしないと外れませんでしたが、BP5Bの物は温度はあまり関係ないようです。
今回は気温10℃位の屋外での作業でしたが、剥がしにくいと言うことはありませんでした。
リフレクターはレンズに取り付けられています。3ヶ所のネジ(↓、↑)を抜いてリフレクターを取り外します。
やっとこれでリングが取り付け可能かどうか検討することが出来ます。
色々な角度で試してみましたが、どうしても補強用のブリッジが邪魔になります。
そこで、このブリッジを切り取ることにしました。ただし、CCFL管は非常に脆いため、細心の注意が必要です。
まず、ブリッジの両端(↑)を金ヤスリで肉厚が半分くらいになるまで削ります。
ブリッジの中央(↓)をライターで炙って溶かして切ります。先ほど削った部分を折り曲げてブリッジを切除します。
ノコギリ等で切り取るという方法もありますが、リングに無理な力がかかって破損することがあるそうです。
リングの固定方法としては、両面テープや接着剤などの方法もありますが、経年変化で剥がれたりすると困るので、ワイヤーを使用することにしました。
ピンバイスを使用してリフレクターとリングに0.5mmの穴を開け、0.28mmのステンレス針金で結びつけました。
リングに余計な力が掛からないようにするため、固定は一ヶ所のみとしました。
リングの位置は、本来はプロジェクターレンズの穴と同心円にしたかったのですが、ヘッドライトASSYのレンズと干渉してしまうため、この位置に落ち着きました。
インバーターはリフレクターの下に取り付けました。
インバーターからは二組のコードが出てきますが、一組は使用しないので、切断して厳重に絶縁します。
コネクターのまま放置しておくと、高電圧のためにコネクター内でスパークが飛ぶそうです。
ヘッドライトASSYの本体にはキャップが付いた穴が二つあります。
このうち、ウィンカーランプに近いところの穴から電源コードを通すことにしました。
隔壁(↑)を切り取り、電源コードを通しました。
コードを挟まないように注意して、レンズを戻します。
レンズを取り付ける前にコーキング剤をすべて除去し、新しいコーキング剤を塗るのがベストですが、僕はサボってしまいました。
新しいコーキング剤を塗らないと、雨水の浸入やレンズの曇りの原因になる可能性があります。
このコーキング剤は、「ブチル・ゴム」と呼ばれる物で、ディーラーで手に入るそうです。
後日やり直そうと思っています。
ヘッドライトASSYをボディーに戻します。
電源コードのうち、電源(赤線)はインタークーラー裏のグロメットから室内に引き込んで、のれんわけハーネスの「イルミネーション」(のれんわけハーネスの配線についてはこちら)に接続しました。
アース(黒線)はエンジンルーム内のボディーアースに接続しました。
いよいよ点灯です。
苦労しただけに、ちゃんと点いた時には感動しました。
写真では多少オーバーな感じに写っていますが、メチャクチャ明るいです。
色合いも、写真の通りにHIDとの差が少なくてイイ感じです。
純正スモールランプとの色合いの違いがありありとしていますが、これがかえってアクセントになって僕は気に入っています。
ただし、気に入らない点が一つ。
リングがリフレクターから浮いているために、プロジェクターレンズ周りのベゼルにリングが反射してしまっています。
このために、見る角度によってはリングが部分的に二本見えるため、「目の下のクマ」のように見えてしまいます。
後日対策を施すことにしました。
リフレクターの反射を和らげるためにシートを貼ることにしました。
シートは「REAL CARBON SEAT」 (ビバリーオート)を使用しました。
円切りカッターを使用して、写真のようなリングを切り出します。
リングの外径は13.6mm、内径は10.6mmです。
このリングをカットして、ベゼル上のツメ状の出っ張り(→)の間に貼付します。
リングを1/4にカットするとほぼピッタリ合いますが、僕は少し長めにカットして、現場合わせで出っ張りとの間に隙間が出来ないように調整しながらカットして貼付しました。このカーボンシートは裏に接着剤が着いていますが、念のためそれぞれの端に0.5mmの穴を開けて0.28mmのステンレス針金で固定しました。
カーボンシートを貼った結果ですが、カーボンシート自体にクリア塗装がされているので、反射を完全になくすことは出来ませんでした。
でも、反射が和らいだことは確かです。腕に覚えがあれば、艶消しブラックで塗装する方が良いかも知れません。
なんだか、プロジェクターレンズが「瞳孔」、カーボンシートが「黒眼(虹彩)」、イカリングが「白眼」みたいになりました。
よって、このカーボンシートを「アイリス(=虹彩)・リング」と命名することにしました。
こんな物真似する人はいないか・・・。
リングの上方に配線が見えてしまっているため、アイライン(まぶた?)を取り付けるべきですね。
一部が欠けた円を斜めに取り付ける形になったため、暗いところで見ると、眉間にシワを寄せたような「睨んだ目」になりました。「エンジェル」の眼ではありませんね。
夜間走行時は前の車に映るイカリングを見るのが楽しみとなりました。
追記
エンジェルアイを装着して約1ヶ月半。この間、雨・雪・高圧水流洗車機などの湿気が入り込みそうな機会が数多くありました。
しかし、ヘッドライトの内側が曇ったり、水滴が付いたりすることはありませんでした。
よって、コーキング剤の再利用は問題ないのかも知れません。
しかし、今後不安を抱えたまま過ごすのもイヤなので、コーキング剤を新品に交換することにしました。
ヘッドライトを再び分解します。
コーキング剤の粘着性は明らかに落ちていました。初回の分解と比べて、容易に剥がすことが出来ました。
隙間が出来てしまっていると言うことはありませんでしたが、粘着性が落ちてしまっているので、長い目で見るとやはりこのままでは心配です。
コーキング剤を除去します。
ベタベタしますが、写真のように引っ張ると割と簡単に剥がし取ることが出来ました。
残りカスが付くことも殆どありませんでした。
部品名: ガスケット、ヘッドランプ(通称 ブチル・ゴム)
品番: 84940AG100 定価¥3,900-
コーキング剤はディーラーで注文することが出来ます。
ブチル・ゴムは粘着性のある棒状のゴムで、左図のように巻かれた状態で箱に入っていました。
一箱でライト一個分です。
よって、両側のライトを分解する場合は二箱必要です。
ブチル・ゴムをヘッドライト本体の溝にはめて、レンズを元に戻せば完了です。
気密性をより完全な物にするために、電源コードの穴にも余ったブチル・ゴムで封をしました。
これで雨の日も安心です。
追記
純正フォグランプと同時点灯すると、車検時に問題になる可能性があるので、切替スイッチを取り付けました。
切替スイッチの取付についてはこちら。