・アジャスタブルシフター(Prova)

 Provaからリリースされた、MTのシフトストロークを調整するパーツです。
 AT全盛のこの御時世、MT用のこんなパーツが出されるとは・・・。

 メーカーの謳い文句は以下の通りです。
 「レバー比、レバー長を無段階に調整できるシフターです。アッパーシャフト、ボディ、ロアシャフトの3ピース構造とすることでジョイント位置を変更、レバー比をシームレスに調整できます。シャフトホルダーをアルミニウム製とすることで重量増を抑えつつ操作性を向上。」

 シフトレバーの長さに不満を持つ人には気になるパーツでしょう。


 この製品は三つのパーツから構成されています。

 @アッパーシャフト
 Aボディ
 Bロアシャフト

 アッパーシャフトの位置でシャフトの長さを、ロアシャフトの位置でレバー比を調整することが出来ます。
 仕上がりが綺麗ですねぇ。

 tara号は納車時からギアシフトレバーASSY(クイックシフト) (STI)を取り付けて、更にRS shift knob(PRESTO)を使用しているので十分にショート化されています。
 そんな訳で特に興味はなかったのですが、ひょんな事から手に入ったので取り付けてみました。
 果たして、更なるショート化に意味はあるのか?


 コンソールフロントパネルを外します。
 内装のキズを気にされる方は、ちゃんとコンソールボックスから外しましょう(外し方はこちら)。


 インシュレーターを取り除くとロッドの取付部分が見えるようになります。
 レバーとロッドを連結しているボルトとナット(←)を取り外します。


 レバー最下部のジョイントブッシュを固定しているスナップリングを、スナップリングプライヤーを使用して取り外します。
 スナップリングはグリスの中に埋もれています。
 手や道具がグリスだらけになるので、イヤ〜な感じになりました。
 僕はこう言うのがちょっと苦手だったりします。
 内装にグリスが付かないように気を付けましょう。

 レバーを引っ張ると、ブッシュごと引き抜くことが出来ます。


 先ずは、アジャスタブルシフターのジョイント位置(@)とブッシュ位置(A)が、純正レバーの位置と同じになるように調整します。
 @とAの間隔を純正よりも5mm伸ばすと、約5%のショートストロークになるそうです。

 因みに、純正レバーの棒状の部分(B)と筒状の部分(C)は直結していません。
 筒の中にゴムが充填されており、このゴムによって繋がっています。
 シフトノブに伝わる振動をここで吸収しているのですね。


 純正のブッシュカラー、レバーブッシュ、Oリング、スナップリングを取り外して、アジャスタブルシフターに移植します。


 アジャスタブルシフターを車両に取り付けます。

 ロッドを固定するボルトのナット(↓)は締め付け過ぎに注意しましょう。
 このナットを締め過ぎると、レバーの前後方向の動きが渋くなってしまいます。
 僕は締め過ぎたために、取り付け当初は激重のシフトフィールになってしまいました。


 ↓の部分を削ると、レバー比の調整範囲が広がるそうですが、僕は加工をしませんでした。
 面倒臭かったもので・・・。
 加工なしでレバー比に不満が出るようであれば、後に加工しようと思います。

 ここが接触してしまうため、ロアシャフトの位置は5mm以上伸ばせませんでした。


 ロアシャフトを5mm伸ばした状態でアッパーシャフトの調整幅を確認してみました。
 @に溝が掘ってあり、ここがシャフトを伸ばす時の限界位置と言う意味だと推測されます。
 Aは純正と同じ長さにした時の位置です。マジックでマーキングしておきました。
 Bはシャフトを最短にした時のマーキングです。

 @-A間:2cm
 A-B間:4cm

 すなわち、純正に対して、-40〜+20mmの幅で調整することが出来ます。
 純正よりも伸ばす人はいなだろうけど・・・。


 インシュレーター、コンソールフロントパネル、シフトノブを戻して作業は完了です。
 シャフト調整の邪魔になるので、インシュレーターは装着しませんでした。

 RS shift knobにはシフトブーツを固定する部分がないため、このままではブーツが遊んでしまいます。
 そこで、写真のようにシャフトに5mm厚のスポンジを巻きました。
 これによって、ブーツのガタツキを防ぐことが出来ます。


 インプレッションです。
 ロアシャフトを5mm伸ばし、アッパーシャフトを40mm短くしてRS shift knobを取り付けると、ストロークはもの凄く短くなります。
 その代わり、操作時の力も今まで以上に必要になります。
 ノブはハンドルから更に遠くなるので、調整は程ほどにした方が良いでしょうね。

 純正のように間にゴムが入っていないためか、操作感は「カチッ」と言うか「ゴリッ」と言う感じになります。
 好みが分かれる感触かも知れませんが、僕はこういう感じが好きです。


 シフトストロークの変化を撮ってみました。変化の具合を分かってもらえるかな?


・ギアシフトレバーASSY(クイックシフト)(STI)+純正シフトノブ


・ギアシフトレバーASSY(クイックシフト)(STI)+純正シフトノブ+アジャスタブルシフター(Prova)


・ギアシフトレバーASSY(クイックシフト)(STI)+RS shift knob(PRESTO)+アジャスタブルシフター(Prova)



 さて、冒頭の「果たして、更なるショート化に意味はあるのか?」に対する答えです。
 答えは、「あり!」。






 






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