・リヤ対向2POTキャリパー (SUBARU)/オーバーホール&塗装

 ヤフオクで落札したインプレッサ用のスバル純正リヤ用対向2POTキャリパーです。
 SUBARUの文字が一部擦れてしまっていますが、キャリパー本体には特別痛みはなさそうです。
 しかし、外されるまでにどのような使い方をされていたか分かりませんので、取り付ける前にオーバーホールをすることにしました。


 余談ですが、このキャリパーのことを「22Bキャリパー」と呼んでいる人がいますが、あれは間違いです。
 22Bとは言わずと知れたインプレッサ22B STi Versionのことで、これのキャリパーは赤く塗装されていました。
 性能は黒い物と同じでただ色が違うだけでしたが、当時その赤いキャリパーは憧れの的となり、BE/BHのブレーキ・チューニングの定番の一つとなりました。
 僕も22Bに憧れて、GF8Eのフロント・キャリパーを赤い4POTに交換していました。
 22Bは10年近く前の車だし、ショップも平気で22Bキャリパーと呼んでいるから仕方ないか・・・。


 まずは分解。
 ブレーキダストはそれなりに付着していますが、パッドは十分に残っていました。
 このパッドは純正かな?


 真鍮ブラシでブラッシングして、ブレーキダスト等の汚れを落とします。
 浮いたダストを綺麗に流すため、洗浄します。
 水洗いだけでも良いのかも知れませんが、油汚れも落とすため食器用洗剤で洗浄しました。
 あるいは、水も使わずにブレーキクリーナーだけでも良かったかも知れません。


 茶色くすすけていましたが、これで綺麗になりました。
 洗浄後に改めて見てみると、ピストンブーツは破れていないし劣化もしていませんでした。
 オーバーホールをする必要はなかったかぁと思いつつも、シールキットを既に入手済みだったので次のステップに移ります。


 これが純正ブレーキ用のシールキットです。
 ディーラーで注文する際に危うくブレンボ用のキットを掴まされるところでした。
 注文時は注意しましょう。

 キットの内容は以下の通りです。
@ピストンブーツ
Aピストンシール
Bブーツリング
Cグリース
Dエアブリーダーキャップ

 この他にブレーキフルードが必要です。
 少量で構わないので、僕はディーラーで余った物を頂いてきました。


 ブーツリング(※)を細いマイナスドライバーなどを使用して外します。
 続いて、ピストンブーツ(*)を外します。


 ブレーキホースの切り口から空気を送り込んでピストンを抜きます。
 コンプレッサーがあると楽なのでしょうが、そんな物は持っていないので、僕は自転車の空気入れに用途不明のアダプターを取り付けて行いました。
 ピストンが抜ける瞬間にブレーキフルードが吹き出すので、大きなビニール袋の中で作業をすると良いでしょう。
 片方のピストンが抜けると、もう片方のピストンには圧が掛からなくなってしまいます。
 抜けたピストンを元に戻してそのままやっても、一度抜けた方のピストンばかりが抜けてしまいます。
 そこで角材などを間に挟み、ピストンを寸止めするようにします。
 両方のピストンが抜けたら、シリンダー内のパッキングを抜き取ります。
 幸いピストンもシンダー内部も綺麗な物でした。

 いつものように細部の写真を撮りたかったのですが、この頃には手が油まみれで、この写真を撮るので精一杯でした。


 ピストンやシリンダー内部をブレーキフルードで洗浄し、パーツを戻します。
 ピストンシールとピストンブーツ、ブーツリングはシールキットの新品と交換します。
 ピストンブーツにはキットのグリースを塗ります。
 新品に交換すると、オーバーホールをして良かったなぁと思います。
 しかし、ブレーキフルードまみれになったせいか、「SUBARU」の文字が消えてしまいました。
 僕はキャリパーの塗装も考えていたので構いませんが、塗装を考えていない人は注意しましょう。


 キャリパーはSPORTS BRAKE KIT(GC8) (Prodrive)の色に合わせてシルバーに塗装することにしました。
 塗料としては、ボディー用のスプレーや耐熱塗料など色々ありますが、キャリパーを塗装する際に問題になるのが、ブレーキフルードとの相性です。
 聞くところによると、耐熱塗料はブレーキフルードで容易に溶けてしまうそうです。
 今回使用した塗料は、FOLIATECのブレーキ・キャリパーラッカーです。
 この塗料はGF8Eのキャリパー塗装でも使用した物で、これはブレーキフルードで溶けてしまうと言うことはありませんでした。

 キットの内容は以下の通りです。
@ブレーキ・キャリパーラッカー硬化剤
Aブレーキ・キャリパーラッカー
Bブレーキ・キャリパークリーナー

 塗装方法
@ラッカーと硬化剤を3:1の割合で混合。
A攪拌した後、15分程度硬化。
B塗装し、15分程乾燥。
C2回もしくは3回重ね塗りする。
D24時間乾燥する。


 キャリパーを塗装しやすく立たせるために、ブラケットを取り付けました。
 このブラケットは、ビッグローターKit リア/315φ (グローバル)の物です。
 GF8Eの時はレッド塗装したのですが、筆ムラは気になりませんでした。
 しかし、今回のシルバーはどうしても筆ムラが出てしまいました。メタリック系は仕方ないですかねぇ。
 筆ムラを逆手にとってヘアラインのようにしようと頑張ってみましたが、どうでしょう?
 どうせ、しばらく使用すれば汚れて筆ムラも気にならなくなりますけどね。






 










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