・CCFL管エンジェルアイの車検に関する検討

 CCFL管エンジェルアイ(以下、CCFL管とする)は、車検を通過するのでしょうか?
 CCFL管の扱いとしては、
車幅灯前部霧灯その他の灯火等の三つの方法が考えられます。
 そこで、それぞれの基準とCCFL管を照らし合わせて、車検について検討してみました。

 基準については、自動車検査独立行政法人審査事務規定を参考にしました。以下の枠内は審査事務規定を要約したものです。
 規定については、「平成17年12月31日以前に製作された自動車」を適応しました。


 ・車幅灯

・車幅灯
1.装備要件
 自動車の前面の両側には、車幅灯を備えなければならない。
2.性能要件
 @車幅灯は、夜間にその前方300mの距離から点灯を確認できるものであること。
 A光源は5W以上で照明部の大きさが15cu以上であること。
 B車幅灯の灯光の色は、白色、淡黄色又は橙色であり、そのすべてが同一であること。
 C車幅灯は、灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損しているものでないこと。
3.取付要件
 @車幅灯の照明部の上縁の高さが地上2.1m以下となるように取り付けられていること。
 A(該当記述なし。)
 B車幅灯の照明部の最外縁は、自動車の最外側から400mm以内となるように取り付けられていること。
 C前面の両側に備える車幅灯は、左右同じ高さに取り付けたものであること。
 D(該当記述なし。)
 E方向指示器又は非常点滅表示灯と兼用の前面の両側に備える車幅灯は、方向指示器又は非常点滅表示灯を作動させている場合においては、方向の指示をしている側のもの又は両側のものが消灯する構造でなければならない。
・その他の灯火等の制限
(9)自動車に備える灯火は、前照灯、前部霧灯、側方照射灯、側方灯、番号灯、尾灯、後面に備える駐車灯、制動灯、補助制動灯、後退灯、方向指示器、補助方向指示器、非常点滅表示灯、室内照明灯を除き、光度が300cd以下のものでなければならない。


 解釈
 以下は、C型CCFL管をベゼルの内側上方で固定し、純正の車幅灯を同時点灯した場合の解釈です。
 他の取り付け方法では、解釈が異なる場合があります。

 ・車幅灯
 1.問題なし。
 2-@.300m先から十分に確認可能。
 2-A.光源は蛍光管なのですが、ワット数についてはよく分かりません(汗)。
    面積は純正状態から増えているので問題なし。

 因みに、C型CCFL管の面積を計算してみると・・・、

 CCFL管の面積(cm2
={(13.4/2)×(13.4/2)×3.14-(11.6/2)×(11.6/2)×3.14}×285/360
=27.97(cm2)

と言うわけで、CCFL管のみの点灯でも15cm2以上あるので問題なし。















 2-B.純正の車幅灯とCCFL管は明らかに色が異なるので、CCFL管の色に合わせて車幅灯の電球を交換する必要あり。

 2-C.問題なし。
 3-@.CCFL管の上縁部の高さは、約0.7mの所にあるので問題なし。
 3-A.−
 3-B.純正の車幅灯を同時点灯しているので、「車幅灯の照明部の最外縁」については問題なし。
     因みに、CCFL管の最外縁はサイド・ミラーから約330mmの所になります。
 3-C.問題なし。
 3-D.−
 3-E.問題なし。

 ・その他の灯火等の制限
 車幅灯の基準には光度について記載がありません。
 しかし、「その他の灯火等の制限」のところに間接的な記載になりますが、光度の基準が書かれていました。
 すなわち光度が300cd以上あると、前照灯等と同じ扱いになると言うことです。
 そこで、民間車検場の光度測定器でCCFL管の光度の測定を試みてみました。しかし、この光度測定器は前照灯等の光度を測定するために設計されているため、車幅灯やCCFL管の測定は不可能でした。
 CCFL管を民間車検場の人に見て貰いましたが、実際に運輸局に持っていかないと分からないと言う返事でした。前例がないので判断できないようです。
 次に、輸入・販売元である柳澤さんに資料提供を依頼し、CCFL管の添付文書を送っていただきました。

 下段中央にCCFL管の仕様データーが記載されています。
 しかし、残念なことに輝度(cd/m2)は記載されているのですが、光度(cd)については記載されていません。
 単位から考えて「輝度×面積=光度」なのかと思ったら、そんな簡単なものではないそうです。
 僕には光の物理学の知識がないので、このデーターから光度を求めることは出来ませんでした。どなたかお詳しい方がいらっしゃいましたら、お知恵を貸して下さい!

 結論
 CCFL管を車幅灯として扱う場合は、光度が300cd以下であれば問題ないようです。


 ・前部霧灯

・前部霧灯
1.装備要件
 自動車の前面には、前部霧灯を備えることができる。
2.性能要件
 @光度は、10,000cd以下であること。
 A照射光線の主光軸が前方40mから先の地面を照射するものは、その自動車のすれ違い用前照灯を点灯している場合には、点灯しない構造であること。
 B照射光線の主光軸は、下向きであること。
 C照射光軸の主光軸は、自動車の右外側線より右方の地面を照射しないものであること。
 D灯光の色は、白色又は淡黄色であり、そのすべてが同一であること。
 E取付部は、照射光線の方向が振動、衝撃等により容易にくるわない構造であること。
 F灯器が損傷し又はレンズ面が著しく汚損しているものは、基準に適合しないものとして取り扱うものとする。
3.取付要件
 @前部霧灯は、同時に3個以上点灯しないように取り付けられていること。
 A前部霧灯は、その照明部の中心がすれ違い用前照灯の照明部の中心を含む水平線面以下となるように取り付けられていること。
 B(該当記述なし。)
 C前部霧灯の灯器の取付部及びレンズ取付部に緩み、がた等がないのもであること。
・その他の灯火等の制限
(9)自動車に備える灯火は、前照灯、前部霧灯、側方照射灯、側方灯、番号灯、尾灯、後面に備える駐車灯、制動灯、補助制動灯、後退灯、方向指示器、補助方向指示器、非常点滅表示灯、室内照明灯を除き、光度が300cd以下のものでなければならない。


 解釈
 以下は、C型CCFL管をベゼルの内側上方で固定し、純正フォグランプとの切替スイッチを取り付けた場合の解釈です。
 他の取り付け方法では、解釈が異なる場合があります。

 ・前部霧灯
 1.問題なし。
 2-@.車幅灯の項でも述べたようにCCFL管の光度は不明ですが、10,000cd以上あるとは思えません。
 2-A.40mも先を照らすことは不可能なので該当せず。
 2-B.レンズや反射板の構造は持っていないため、光軸と言える物は存在しません。また、直接光が他の自動車の運転操作を妨げることにもなりません。
 2-C.照射する程の明るさはありません。
 2-D.CCFL管の色は、白色なので問題なし。
 2-E.問題なし。
 2-F.問題なし。
 3-@.純正の前部霧灯と同時点灯しないように切替スイッチを取り付ければ問題なし。
 3-A.CCFL管の円の中心は、すれ違い用前照灯の中心よりもやや下に取り付けているので問題なし。
 3-B.−
 3-C.問題なし。 

 ・その他の灯火等の制限
 車幅灯の項でも述べたようにCCFL管の光度は不明です。
 しかし、前部霧灯の光度の下限についての記載はありません。すなわち、300cd以上なければならないと言う訳ではないので問題なし。

 結論
 CCFL管を前部霧灯として扱う場合は、純正フォグランプと同時点灯しないように切替スイッチを取り付ければ問題ないようです。


 ・その他の灯火等

 前部に取り付ける灯火について要約しました。

(1)(該当記述なし。)
(2)(該当記述なし。)
(3)自動車の前面ガラスの上方には、灯火の色が青紫色である灯火を備えてはならない。
(4)自動車の前面ガラスの上方には、速度表示装置の速度表示灯と紛らわしい灯火を備えてはならない。
(5)自動車には、側方灯、方向指示器、補助方向指示器、非常点滅表示器を除き、点滅する灯火又は光度が増減する灯火を備えてはならない。
(6)(該当記述なし。)
(7)自動車に備える灯火の直接光(前照灯にあっては、すれ違い用前照灯の直接光)は、その自動車及び他の自動車の運転操作を妨げるものであってはならない。
(8)(該当記述なし。)
(9) 自動車に備える灯火は、前照灯、前部霧灯、側方照射灯、側方灯、番号灯、尾灯、後面に備える駐車灯、制動灯、補助制動灯、後退灯、方向指示器、補助方向指示器、非常点滅表示灯、室内照明灯を除き、光度が300cd以下のものでなければならない。
(10)(該当記述なし。)

 解釈
 (1)−
 (2)−
 (3)問題なし。
 (4)問題なし。
 (5)問題なし。
 (6)−
 (7)問題なし。
 (8)−
 (9)車幅灯の項でも述べたようにCCFL管の光度は不明です。
   300cd以上ある場合は、その他の灯火等として認められません。
   300cd以下の場合は、いわゆるデイ・ライトとして認められます。
 (10)−

 結論
 CCFL管をその他の灯火等として扱う場合は、光度が300cd以下であれば問題ないようです。


 ・考察

 CCFL管の取り扱いについて、車幅灯前部霧灯その他の灯火等それぞれについて検討を行いました。
 上記の通り、その光度が300cd以上あるのかどうかで扱いが変わります。光度が明らかでない現状では、300cd以上あると仮定して対策を講じた方が良いと思われます。
 すなわち安全策としてCCFL管を前部霧灯として扱って、純正フォグランプと同時点灯出来ないようにした方が良いようです。切替スイッチの取付についてはこちら

 
新潟運輸支局 整備課(025-285-3121)および長岡自動車検査登録事務所(0258-22-1131)に電話で問い合わせを行いました。
 現在、車幅灯の光度測定器は設置されておらず、光度については目視で検査を行っているとのことでした。
 車両持ち込みでの光度の確認をお願いしたのですが、そのような業務は行っていないと言う理由で断られてしまいました。
 そこで、数・形状・構造について電話で伝え、意見を伺いました。
 光度が300cd以下であれば純正車幅灯との同時点灯は問題なし。もし300cd以上ある場合は、純正の前部霧灯と同時点灯出来ない構造になっていれば問題なし。と言う返事を頂きました。

 本家本元、BMWでは車検はどうなっているのでしょうか。
 CCFL管は元々BMWのアフターパーツとして売られており、装着台数も圧倒的に多いと推測されます。
 柳澤さんによると、BMWでCCFL管を取り付けた車両は車幅灯として車検を通過しているそうです。

 車幅灯の数に関しては基準が存在しません。
 しかし、平成18年1月1日以降に製造される自動車については、「2個又は4個」と言う基準が追加されています。
 これはBMWに対応するために設けられたのかも知れませんね。


 追記
 フォグランプとの切替スイッチによって車検を通過することが出来ました。
 ただし、灯火の色や光度については、個々の検査官で判断が分かれる可能性があります。
 また、車幅灯との同時点灯で車検を通過出来たとの情報もあります。


 ※CCFL管を装着して車検を受けられる方は自己責任でお願いいたします。







 








inserted by FC2 system