・エア・インテークガイド(Prova)
GF8E は吸気口がエンジンルーム内にあり、吸われた空気はフェンダー内のレゾネーターを通ってエアクリーナーに導かれていました。
よって、エンジンルーム内の空気を吸うため、吸気温度が高くなる傾向にありました。
BP5B ではエアダクトの吸気口がラジエーターの上に設置されたため、フレッシュな空気を吸えるようになりました。
この写真の矢印のように、フロントグリルを通過した空気の一部が吸気となります。
この空気を少しでも多く取り入れようとするためのパーツが、FLATT や GUTS のフロントグリル、Prova のエア・インテークガイドです。
ZERO sport のクールラジエターにもこの機能がありますね。
一方、このことを分かっていないメーカーのクーリングプレートはこの部分まで塞いでしまっている物があります。ここを塞いでしまっては、フレッシュな空気が吸えないと思うのですが・・・。
吸気効率向上パーツは数種類ありますが、この中から僕はProvaのエア・インテークガイドを選びました。
FLATTやGUTSのフロントグリルの方が効率が良さそうに見えるのですが、デザイン的に好みではありません。
ZERO sport のクールラジエターよりもProvaの方が積極的に吸気を導けるような気がしたのでProvaの物にしました。
この製品のメーカー側の謳い文句は、以下の通りです。
@走行中にフロントグリルからエンジンのインテークダクトに、よりスムーズにエアを送り込むためのエアガイドです。
A吸気効率の向上、フレッシュエアを導くため、不用意な吸気温度上昇を軽減させる効果も期待できます。
B車種別設定により、特別な加工せずに短期間で装着可能です。
Aはチョット弱気な表現ですね。
Bについては後に書きますが、実際は加工が必要でした。
これ以外に、高速走行時はラム圧効果も期待できるかも知れません。
先ず、エアダクトとフロントグリルを外します(外し方はこちら)。
フロントグリルを固定しているクリップ(↑)を二つ外します。
ボンネットフード・キャッチのネジ(↓)を二つ外します。
仮合わせをしてみると、ボンネットフード・キャッチのネジはピッタリでしたが、エアダクトの固定クリップの穴が合いません。
仕方ないので、この穴を棒ヤスリで削って穴が合うようにします。
エアダクトのクリップ(↓)、ボンネットフード・キャッチのネジ(↑)でを使用して共締めします。
この写真でお分かりになると思いますが、この製品はボンネットフード・キャッチをガードする機能もあります。
Prova好きには有名な話ですが、元々この製品は社外のメッシュグリル等を装着した際に、ボンネットフードキャッチが丸見えとなってしまうため、これを保護するために計画されたそうです。
冬場などはキャッチが凍結して動かなくなることもあるそうですね。
セキュリティーの面でも役に立つかも知れません。
フロントグリルを戻せば、作業は完了です。
フロントグリルを固定していたクリップがなくなったため、障害物が無くなって更に効率が良くなったような気がします。
しかし、フロントグリルとエア・インテークガイドの隙間がどうも気になります。
折角エアを効率よく導こうとしているのに、この隙間は狭すぎるのではないかな?
コレについてProvaの人に聞くと、やはり広げた方が良いとのことでした。
と言うことで、この隙間を広げるために追加加工します。
隙間を広げるために、用済みとなったフロントグリルの上部にあるクリップの受けの部分を切り取ることにしました。
純正部品に刃を入れるのは気が引けますが、カミソリノコでガリゴリと切ってしまいます。
素材はABSなので簡単に切ることが出来ます。
この位隙間が開いていると、エアを十分に吸い込むことが出来るような気がしますね。
正面から見るとこんな感じです。
グリルの四つの穴のうちの一つが完全に吸気に割り当てられる感じですね。
実際の効果についてですが、走行による吸気温度の低下が早くなったかな〜?と言う程度です。
体感できる物ではないですね。
ただし構造上は、「こうあるべきデザイン」だと思います。
風が当たるラジエーターの面積が減るという意見もありますが、ナンバープレートを傾けるか、オフセットにすれば失った分を補えるかな?
追記
エア・インテークガイド装着による吸気温度低下の効果について質問がありましたので実験を行ってみました。
方法
エアクリーナーボックス内の温度が50℃になったところで発車。80km/hで走行し、温度が40℃・30℃・20℃まで低下するために要した走行時間を計測しました。
温度測定はDIGITAL MULTI GAGEで、時間計測はULTRA SPEED MONITOR No.4010を使用しました。
計測は、エア・インテークガイドを装着した状態と、外した状態でそれぞれ二回ずつ行いました。
計測時、外気温は純正の外気温計で8℃でした。
結果
吸気温度が50℃から30℃に低下する時間は、エア・インテークガイドの有無で差は見られませんでした。しかし、30℃から20℃に低下する時間で差が見られました。
考察
50℃から30℃に低下する時間に差が出ないと言うことは、純正状態でも十分に走行風がダクトに導かれていると言うことでしょう。
30℃から20℃に低下する時間の差が、エア・インテークガイドの吸気効率向上によるものなのでしょうか。
エア・インテークガイドがない状態でも最終的には吸気温度は外気温に近いところまで低下しますが、エア・インテークガイドがある状態の方が早く低下する事が分かりました。
その差は約100秒ですが、この差を大きいと感じるか、小さいと感じるかはその人の使用環境によると思います。都心ではストップ アンド ゴーの連続ですから、少しでも早く温度が下がる方が良いでしょうし、郊外や高速道路では連続して走れる距離が長いので、純正状態でも吸気温度を低く保つことが出来ると思われます。
吸気温計のセンサーをエアクリーナーボックスの側面に固定したため、ボックス自体の温度に影響されている可能性があります。エアフロセンサー部に設置されている純正の吸気温計の信号からデータを取ると、違う結果になったかも知れません。こっちの方が正確かも・・・。
また、僕のエアクリーナーボックスは遮熱処理がされているので、純正状態では温度が低下するまでにもう少し時間が掛かるかも知れません。
追記 その2
SKNKさんより情報を頂きました。
純正のエアダクトの下に挟む様に取り付けるため、向かって右側のクリップはエア・インテークガイドの肉厚の分隙間が出来ます。このため、経年変化で純正のエアダクトがたわんでしまうそうです。SKNKさんのHPに変形してしまったエアダクトの写真が掲載されています。
逆に左側のクリップはこの肉厚の分非常にきつくなります。
幸い僕のダクトはまだ変形には至っていませんでした。 高さを調整するために、SNKNさんは右側のクリップに2mmのスペーサーを噛ましているそうです。
僕は手元にちょうど良い物がなかったので、左側のクリップのゴム・ワッシャーを使用することにしました。
このゴム・ワッシャーを写真のように二分割します。
分割したゴム・ワッシャーを写真のように使用して、左右の高さを調整しました。
これでエアダクトの変形を抑えることが出来るかな?