・吸気バルブタイミング
レガシィのエンジンは、可変バルブタイミング機構(AVCS)を搭載しています。
バルブ開閉の最適なタイミングは低回転時と高回転時では異なるため、タイミングを状況に合わせて調整することによって、低回転から高回転まで扱いやすいエンジンに調教してやろうというのが狙いのシステムですね。
吸気側と排気側のそれぞれのバルブに対してAVCSが働きますが、先ずは吸気側をイジってみます。
Club LEGACY誌 Vol.034のバルタイコントロールに関する記事によると、低回転域ではバルブを早く開き、高回転域では遅らせた方が良いらしいです。
では、純正ではどのような制御になっているのか?
吸気側のAVCSは、EcuFlashでは以下の項目で変更可能です。
・Intake Cam Adv. Normal
縦軸がエンジン回転数、横軸がエンジン負荷、表の中の数値はバルブタイミングの進角度を表しています。
表の中の数字が大きいほどバルブの開く時間が長くなります。
このマップをイジれば良いのですが、EcuFlashのマップでは見にくいので、ecuEditを使用して考えることにしました。
主に2400rpm以下でエンジン負荷が掛かる領域に変化が見られます。
Club LEGACY誌に書いてあった通り、低回転では早く開き、高回転では遅らせているようです。
最大値は30.00になっています。
この30.00と言う値を使う領域。この領域はどんな時に使う領域なのでしょう。
Enginuityを使用してログを取ってみました。
2400rpm以下と言うと、発進時や巡航状態が思い浮かばれます。
しかし、発進時は直ぐに2400rpm以上になってしまいますし、巡航状態ではエンジン負荷は1.15以上になりません。
30.00の領域を使う時は、巡航状態からシフトチェンジせずに再加速する時のほんの一瞬しかありませんでした。
レガシィのAVCSって、あまり働いていないんですね。
ここでチョット実験。
バルタイをの数値を全て10.00にしたマップと、30.00にしたマップを作って走ってみました。
10.00にしたマップは、何となく盛り上がりに欠けるかな?と言う程度で、走り味は普通でした。
30.00にしたマップは、何となく出だしが悪いような感じがしますが、後半は盛り上がりを感じました。
どちらも劇的に変わるという訳ではありませんでした。
ディーラーのメカマンにこの話をすると、バルタイはあくまでも”味付け”と考えた方が良いとのこと。
ナルホド。
では、同じEJ20と呼ばれるエンジンを積んでいるインプレッサはどのような”味付け”をしているのでしょうか?
ネットで拾ったデータを打ち込んで、グラフを作ってみました。
タービンなどの補機類が違うから、あくまでも参考データですが・・・。
レガシィとは全く違いますね。
エンジン負荷の数字も違いますし、進角度の上限が45.00になっているので、単純に比較してはいけないのかも知れません。
しかし、マップの変化具合、すなわちグラフの形は参考にしても構わないでしょう。
レガシィの物よりも明らかに変化に富み、実用域である低回転から中回転域の数値が進められています。
更に興味深いのが、2800rpm前後の低負荷時ですね。この辺はブーストが掛かり始める所かな?
と言うことで、インプレッサのマップを参考にしつつ、純正のマップを広げるような感じにしてみました。
どうでしょう?
「あまり進めすぎると燃費が悪化するかなぁ。」とか、「負荷が掛かる領域ではもっと進めた方が、峠では楽しいかなぁ。」、「高速巡航の領域は進める必要はないよなぁ。」などと、迷いのあるマップになってしまいました。
チューニング ショップのマップはどうなっているのか、見てみたいものです。
走った感じは、中間からグワッと来る感じになりました。
純正状態のレガシィはなだらか走り味ですが、電子スロットルの変更と相まって、メリハリのある走り味になりました。
「ココはこうした方が良いよ!」など、ご意見がありましたら、是非お願いいたします。