・3port boost solenoid (Prodrive USA)

 以前から気になっていたProdriveのソレノイドバルブ。
 今回、SUWRITE ECU SYSTEMで少量入荷したので手に入れました。

 @ソレノイドバルブ
 Aステー
 B変換ハーネス

 本来、このソレノイドバルブはGD型インプレッサのA〜B型用だそうです。
 変換ハーネスは使用可能ですが、ステーの問題でポン付けと言うわけにはいきません。


 純正ソレノイドバルブとの比較です。左がProdrive、右が純正です。
 それぞれの接続先を示します。

 @インテークダクト
 Aコンプレッサー
 Bアクチュエーター
 Cコンプレッサー&アクチュエーター
 Dハーネス

 純正は2ポートです。
 @のポートは、インテークダクトに繋がっています。
 Cのポートに、コンプレッサーとアクチュエーターを繋いでいる配管から分岐した配管が繋がっています。
 ソレノイドバルブは、コンプレッサーからアクチュエーターにかかる圧力をインテークダクトに逃がすことによって、ブースト圧を調整しています。
 純正では、ソレノイドバルブとアクチュエーターに同じ圧力がかかるため、低い圧でもアクチュエーターが徐々に開くことがあり、ブーストの上昇が緩慢になるそうです。

 これに対して、Prodriveは3ポートです。
 コンプレッサー、アクチュエーター、インテークダクトの接続がそれぞれ独立しているため、アクチュエーターの制御が機敏となり、ブーストの立ち上がりが良くなるそうです。

 Prodriveのソレノイドバルブをコントロールするためには、ECU書き換えツールを使用してブースト設定を編集する必要があります。


 レガシィ用に開発された製品ではないため、取り付けに関しては決まった方法はありません。
 取り付けの際には、ソレノイドバルブをどこに固定するかが問題になると思います。
 今回はストラット付近に固定することにしました。
 以下に紹介する方法は一つの例として考えて下さい。

 コネクター、配管、ボルトを外して純正ソレノイドバルブ(→)を取り外します。
 ソレノイドバルブの配線と一緒に結束されている配線のコネクター(↑)も外します。
 写真には写っていませんが、この奥にもコネクターが一つあります。


   

 コンプレッサーおよびアクチュエーターの配管(※)を外します。
 この配管は、ソレノイドバルブの機能説明で示した写真のT字になっている部分です。
 ←の配管はソレノイドバルブに繋がっている配管です。
 右写真は、Premium Suction (HKS)の取り付け作業中に撮影したものです。

 実際のところ、コンプレッサーおよびアクチュエーターの配管を外すのはちょっと面倒です。
 インテークダクトを取り外して、上右写真のようにコンプレッサーを直視できる状態にすれば楽ですが、インテークダクトを取り外すこと自体が大変な作業です。僕はあの作業を二度とやりたくはありません。
 よって、上左写真のようにアクチュエーター側からアプローチするわけですが、周辺の配管が邪魔で手が入りません。
 そこで、冷却水タンクの固定ボルト(↑)を外して、タンクをずらしてやると少し作業スペースが広くなります。
 この隙間からロングノーズプライヤーを駆使すると、何とか配管を外すことが出来ます。


 インタークーラーを取り外します(外し方はこちら)。


 インテークマニホールドの後ろから下をくぐって前方に伸びているソレノイドバルブ周辺の配線(←)を上に引き出します。
 配線はビニールテープで結束されています。

 ソレノイドバルブの配線(青いコネクター)のみ残し、他の配線は元の位置に戻します。


 ソレノイドバルブは、ストラット側面のABS配管固定用のボルトに共締めすることにしました。


 インテークダクト、コンプレッサー、アクチュエーターの配管をソレノイドバルブに接続します。

 インテークダクトの配管は、ダクト側とバルブ側で径が異なるので変換する必要がありますが、ここは不要になった純正の配管を利用することが出来ます。
 コンプレッサーおよびアクチュエーターの配管の写真は分かりにくいですね。


 変換ハーネスを接続して、取り付け作業は完了です。
 この写真も分かりにくいなぁ。


 初めにも書いたように、このソレノイドバルブはレガシィ用ではありません。
 ECUが純正のまま使用すると、こんな事になってしまいます。
 このまま走り続けると、エンジンを壊しかねません。
 そこで、ECU書き換えツールを使用して、ブーストを調整します。


 ブーストのコントロールは、「Desired Boost」と「Initial W/G Duty」で行います。
 このマップに対して、「Max Westgate Duty」や「Turbo Dynamics Proportional (Boost Error)」、「Boost Limit」等のマップが関与してきます。
 ここで表示したマップは純正のマップです。
 Initial W/G Dutyの値を大きくすると、ブーストが掛かりやすくなります。
 Prodriveのソレノイドバルブは純正よりもブーストの掛かりが良いため、実際には純正のマップよりも値を下げています。
 マップの値は車両のチューニング・メニューによって異なると思われますし、僕自身まだマップを煮詰め切れていないのが現状なので、チューニング・マップをここで紹介することはやめておきます。


 インプレッションです。
 tara号はメタルキャタライザーを装着したことによりブーストの掛かりは良くなっていましたが、このソレノイドバルブを装着したことによって更に良くなったと言うかダイレクト感が出ました。
 W/G Dutyを上げるとブーストが敏感になってダイレクト感が増すのですが、調子に乗って上げ過ぎるとオーバーシュートしまくります。

 僕はソレノイドバルブをストラットに固定しましたが、これは失敗でした。
 アクセルを踏み込むと、「カタカタカタ・・・」とバルブの作動音が運転席に響いてきます。
 バルブをスポンジで覆ってみましたが、やはり響いてきます。
 純正と同じ位置にバルブを固定するように、もう少し考えるべきでした。


 追記

 ソレノイドバルブの作動音がどうしても気になるため、取り付け位置を変更することにしました。
 今回はSUWRITE ECUの御好意により、現在流通している物と交換して頂けることになりました。
 こちらは純正と同じ位置に取り付けが出来るようになっています。

 旧型と比較すると、裏側のステーの取付部分とポートの太さに違いが見られます。


 ソレノイドバルブの配線も元の位置に戻しました。

 これで耳障りだった「カタカタカタ・・・」という音はすっかり聞こえなくなりました。
 いや〜、良かった良かった。






 








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